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認知症のことを少し前までは痴呆症、昔は呆け(ボケ)と呼んでいました。

これは脳の障害によって、記憶がひどく悪くなったり、ものごとの認識ができなくなったり、最後は人格まで失ってしまう症状です。家族の心身の負担はかなりのものです。

発症してしまっても進行させないために、またその発症を減らして予防するため、一番多いアルツハイマーをメインに「認知症」について一度考えてみましょう。

また、認知機能が正常域を超えてはいるが、認知症と診断するほどではないというレベルの一番大切な時期の「軽度認知障害」についても理解しましょう。

 

<<内容>>

1、認知症とは、どんな病気なの?
2、「歳のせいの物忘れ」と「認知症」の違いは?
3、認知症の症状について
4、認知症の進行経過
5、認知症の原因疾患
6、アルツハイマー型認知症とは
7、脳血管性認知症とは
8、認知症と間違われやすい状態
9、軽度認知障害について(重要)
10、認知症の検査、薬物治療とケア
11、認知症の予防のポイント
12、ボケないための漢方の知恵

認知症のことを少し前までは痴呆症、昔は呆け(ボケ)と呼んでいました。

 

 

ボケない生き方と漢方

 1、認知症とは、どんな病気なの?


◆認知症は、単なる物忘れではありません。

「久しぶりに会った人のことが思い出せない…」このような経験は誰にでもあります。
「もの忘れ」は自然な老化によっておこる「単なる歳のせい」であり、誰にでも起こりえます。
 
一方、「認知症」は「病気」であり、単なるもの忘れではありません。
 

 認知症とは、どんな病気なの?

◆認知症は、進行性の脳の病気です。

何らかの原因により脳が病的に変化し、記憶や認知機能や判断力などが低下していく病気です。進行性の病気で、普通の生活が送れなくなります。

認知症の初期の症状で最も多いのはもの忘れですが、それ以外の症状ではじまることもあります。意欲、自発性の低下(やる気がおこらない、これまでやっていた事をしなくなった、ものぐさになった)やうつ症状、言葉の障害、注意力・判断力の低下なども認知症の初期症状のことがあります。

 ◆もの忘れはなぜおこる?

もの忘れは、脳の神経細胞の減少や機能の低下によっておこります。

年齢を重ねるうちに「もの忘れが増えてきたな」と思う方は多いのではないでしょうか。これは脳の神経細胞の減少という免れることのできない老化現象の影響で、誰にでもおこる「もの忘れ」です。

このような、通常の老化による減少より早く神経細胞が消失してしまう脳の病気、これが『認知症』です。

認知症とは、どんな病気なの?

 

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 2、「歳のせいの物忘れ」と「認知症」の違いは?


認知症は、はじめのうちは歳のせいによるもの忘れとの区別がつきにくいものです。大きな違いの一つとして、歳のせいによる「もの忘れ」は体験の一部を忘れても、体験したこと全体は覚えています。それに対して認知症は体験のすべてを忘れてしまうの、という特徴があげられます。

たとえば、今日食べた朝食の副食の一部を忘れても、食べた事まで忘れることはありません。しかし、「今日、朝食まだ食べてないなあ…」となったら、認知症の可能性があります。

認知症の物忘れには、新しい記憶から失われていくという特徴があります。昔のことはよく覚えているのに、数日前のことが思い出せなくなります。やがて、数分前のことを忘れるようになってきます。

 

 「歳のせいの物忘れ」と「認知症」の違いは?

<<歳のせいによる物忘れ>>

・体験の一部分を忘れる
・記憶障害のみがみられる
・もの忘れを自覚している
・探し物も努力して見つけようとする
・見当識障害はみられない
・日常生活に支障はない
・きわめて徐々にしか進行しない 

<<認知症による物忘れ>>

・体験の全体を忘れる
・記憶障害に加えて判断の障害や実行機能障害がある
・もの忘れの自覚に乏しい
・探し物も誰かが盗ったということがある
・見当識障害がみられる
・日常生活に・支障をきたす
・進行性である 

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 3、認知症の症状について

 
認知症の症状は中心となる症状(必ずみられる症状)と、それに伴って起こる周辺症状(必ずみられるとは限らない症状)に分けられます。
 

■中心となる症状には「記憶障害」と「判断力の低下」と「見当障害」があり、必ずみられる症状であり、中核症状と呼ばれています。  

*「記憶障害」とは、
 ・同じことを言ったり聞いたりする。
 ・しまい忘れや置き忘れが目立つ。
 ・直前のことも忘れてしまう。
 ・蛇口やガス栓の閉め忘れ、などです。

*「判断力の低下」とは、
 ・寒くても薄着のまま外に出る、真夏でもセーターを着ている、といったものがあります。

*「見当障害」とは、
 ・今がいつなのか、ここはどこなのか、わからなくなる状態をいいます。

 

■周辺症状は人によって差があり、怒りっぽくなったり、不安になったり、異常な行動がみられたりすることがあります。

以下の症状があります

*妄想
しまい忘れたり、置き忘れたりした財布や通帳を誰かが盗んだ、自分に嫌がらせをするために隠したという「もの盗られ妄想」の形をとることが多い。このような妄想は、最も身近な家族が対象になることが多いため困ります。

*幻覚
認知症では幻聴よりも幻視が多い。「ほら、ここに子供たちが来たじゃないか。」などといったことがしばしば見られます。

*不安
今までできたことができなくなったり、もの忘れがひどくなってきているため、不安や焦燥などの症状が出現します。

*依存
不安や焦燥のために、逆に依存的な傾向が強まることがあります。一時間でも一人になると落ち着かなくなり、常に家族がいないと不安といった行動があらわれることがあります。

*徘徊
認知症の初期は、道順を間違える程度ですが、進行に伴い、自分の家への道など熟知しているはずの場所で迷い、行方不明になったりします。重症になると、全く無目的であったり、常同的な歩行としか思えない徘徊が多くなります。

*攻撃的行動
行動を注意・制止する時や、着衣や入浴の介助の際に十分に本人に説明をしなかったりするとおきやすい。また、幻覚や妄想から二次的に生じる場合もあります。

*睡眠障害
認知症の進行とともに、夜間の不眠、日中のうたた寝が増加する傾向にあります。

*異食・過食
食事をしても「お腹がすいた」と訴える過食がみられたり、食べられないものを口に入れる、異食がみられることがあります。口に入れるのは、ティッシュペーパー、石けん、などさまざまです。

*抑うつ状態
意欲の低下や、思考が遅くなるといった、うつ病と似た症状があらわれることがあります。

認知症の症状について

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 4、認知症の進行経過


認知症は進行性の病気ですが、その経過はさまざまです。
ここではでは、「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」の経過を紹介しましょう。
 

◎アルツハイマー型認知症の経過

アルツハイマー型認知症の大きな特徴は、緩やかに発症し、徐々に進行していくことです。記憶の低下にともなって、日常生活にも支障をきたすようになります。

認知症の進行経過

 

1期から第3期の特徴

◇第1期
記憶障害のために、鍋を焦がしたり、仕事の能率が悪くなるなどの変化があります。料理の手順が悪くなったり、買い物で同じ物をいつも買ってきてしまうこともあります。軽度の時期では主に日付とか時間の感覚が不確かになります。


◇第2期
場所の感覚が不確かになります。最初は慣れないところでですが、次第に慣れたところでも道がわからなくなったりします。また、気候にあった服を自分で選んで着たりすることができにくくなります。この時期では自分で服薬を管理することはできません。中等度になると時間に加えて場所がよくわからなくなります。日常生活では時々は実際に手を貸さないと生活が難しくなります。


◇第3期
高度になると、ほとんどすべての日常生活場面で介助が必要になります。同居している家族の顔や家の中でもトイレの場所がわからなくなったりします。典型的なアルツハイマー型認知症では高度になっても、その場をとりつくろう応答は得意
です。

第1期から第3期の特徴

 

◎脳血管性認知症の経過

脳血管性認知症は、発作の再発によって認知症の症状が段階的に悪くなることがあります。

脳血管性認知症の経過

 

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 5、認知症の原因疾患


認知症は、脳が病的に障害されておこります。その原因となる病気は、頭蓋内の病気によるもの、身体の病気によるものなどたくさんあります。 しかし、多くは「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」です。

認知症の原因疾患
1. アルツハイマー病→アルツハイマー型認知症
2. 脳血管障害(脳梗塞、脳出血など) → 脳血管性認知症
3. アルツハイマー病以外の神経変性疾患 → 前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症など
4. びまん性レビー小体病(レビー小体型認知症の原因疾患)
5. その他には多種あります

原因疾患別の認知症の割合は、アルツハイマー型認知症と脳血管障害が併発したケースが一番多く、「アルツハイマー型認知症典型例」と「アルツハイマー型認知症+脳血管障害」を合わせたものをアルツハイマー型認知症といっている。
アルツハイマー型認知症は認知症全体の60%強を占める。
尚、脳血管性認知症は20%弱である。
 

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 6、アルツハイマー型認知症とは


アルツハイマー型認知症とは認知症をきたす疾患の中で一番多い疾患です。

その原因は不明ですが、脳内でさまざまな変化がおこり、脳の神経細胞が急激に減ってしまい、脳が萎縮して高度の知能低下や人格の崩壊がおこる認知症です。

初期の症状は、徐々に始まり、ゆっくり進行するもの忘れが特徴です。
古い記憶はよく保たれますが、最近の出来事を覚えることができません。そのため同じことを何度も何度も聞きかえしたり、置き忘れが多くなります。昨日お礼の電話をしたことを忘れて今日また同じ相手に電話などということがあります。抑うつや妄想ではじまることもあります。運動麻痺や歩行障害、失禁などの症状は初期にはありません。CTやMRIなどの画像検査も正常かやや脳の萎縮がつよいという程度です。

◆アルツハイマーの脳内では何がおきているのか?


アルツハイマー型認知症の特徴的な脳の変化は以下があげられます。

(1) 大脳皮質の著しい萎縮がみられます。
アルツハイマー型認知症では、脳全体(特に側頭葉や頭頂葉)が萎縮して(小さくなって)いきます。成人では通常1,400グラム前後ある脳の重さが、発症後10年位たつと800〜900グラム以下に減ってしまいます。
正常な脳と比べてみると、大脳が小さくなっていることがわかります。

(2) 老人斑、神経原線維変化がみられる。
アルツハイマー型認知症の脳を顕微鏡で観察すると、神経細胞と神経細胞の間に老人斑(シミのようなもの)や神経細胞の中に神経原線維変化(糸くずのようなもの)がみられます。そして老人斑や神経原線維変化の増加に伴い、神経細胞が減っていきます。

(3) 神経伝達物質の異常が生じます。
神経伝達物質の異常は、アルツハイマー型認知症の発現に深く関与しているものと考えられます。アルツハイマー型認知症では、いろいろな神経伝達物質の減少がみられますが、記憶の働きに関わる神経伝達物質アセチルコリンの減少が特に強いことが明らかにされています。

アルツハイマーの脳内では何がおきているのか?

 

◆アルツハイマー型認知症の進行と病期

*第1病期(発症後1〜3年)

 もの忘れ、ときに抑うつ、妄想。
 運動機能は正常、ADL(日常生活動作)自立。
 CT、MRIで正常範囲の軽い脳萎縮ないし、側脳室下角経度拡大がみられる。


*第2病期(発症後2〜数年)

 記憶障害に加え、大脳皮質局所症候(失語、失行、失認)が出現はじめる。
 また、周辺症状(妄想・幻覚・不安・依存・徘徊・攻撃的行動・異食・過食・抑う
 つ状態など)が出現する。
 ADL(日常生活動作)は介助を要するようになる。
 CT、MRIで脳萎縮。


*第3病期(発症後8〜10年以上)

 知的機能は高度に障害。コミュニケーションは殆ど不能になる。
 運動機能も障害され筋固縮、歩行障害、転倒傾向(パーキンソン病様)。
 尿便失禁。ADL(日常生活動作)は全介助が必要。
 最終的には寝たきりになるケースが多い。
 CT、MRIで高度の脳萎縮。

アルツハイマー型認知症の進行と病期

 

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 7、脳血管性認知症とは


脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、その部分の脳の働きが悪くなり、そのため認知症になることがあります。このような認知症を脳血管性認知症といいます。

脳血管性認知症は、障害された場所によって、ある能力は低下しているが別の能力は比較的大丈夫という様に、まだら状に低下し、記憶障害がひどくても人格や判断力は保たれていることが多いのが特徴です。

 ・大部分は多発性脳梗塞が原因で、脳梗塞の再発により段階状
  に悪化することが多い。
 ・病変部位や症状は多彩である。
 ・初期から歩行障害、運動麻痺、尿失禁などを示すことも多い。
 ・動脈硬化の危険因子(高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙)や
  心房細動などが原因となる。
 

脳血管性認知症とは

◆脳血管性認知症の症状の特徴

脳血管性認知症では、障害された部位によって症状は異なり、めまい、しびれ、言語障害、知的能力の低下等にはむらがあります。
また、記憶力の低下が強いわりには判断力や理解力などが相対的によく保たれている場合があります。また、症状は日によって差が激しいことがあります。

 

◆脳血管性認知症は予防が大切です。


◎脳梗塞の前ぶれ(1)

・無症候性脳梗塞、潜在性梗塞(“かくれ脳梗塞”)。
・運動麻痺などの症状を示さないが、CTやMRIで脳梗塞病変が
 発見された場合。
・過度の心配は不要ですが、精査が必要です!


◎脳梗塞の前ぶれ(2)

・一過性脳虚血発作(TIA)。
・運動麻痺、言語障害などの脳梗塞症状が出現し、
 24時間以内(通常数十分以内)に消失。
・脳梗塞になりかけてもとに戻った場合。
・直ちに精査が必要です!

脳血管性認知症は予防が大切です。

 

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  8、認知症と間違われやすい状態


認知症の初期は、仕事の能率が悪くなったり、仲間との会話が減ったり、意欲が低下したりして、うつ状態と間違われることもあります。また、定年退職後に、急に生活のリズムが変わったり、仕事以外に趣味がないような人は「生きがい」を失いうつ状態になるケースもあります。

 「うつ状態」と「認知症」の違い

 

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 9、軽度認知障害について(重要)


軽度認知障害とは、認知機能が正常域を超えてはいるが、認知症と診断するほどではないというものです。
つまり、記憶力は低下しているが、他の認知機能障害はあらわれておらず、日常生活にも支障をきたしていないという状態のことです。

認知症になる前の段階、つまり健康な状態と認知症の間の段階、とお考えください。
軽度認知障害の人が、将来、必ず認知症になるとは限りません。そのまま治療を受けなくても、半数は認知症にならないと言われています。しかし、逆に言えば、何もしなければ、半数の人は認知症になる可能性があるのです。

軽度認知障害の段階で適切な治療を受ければ、認知症の発症を防いだり、発症を遅らせたりできることが、わかってきています。早期診断で軽度認知障害が発見されれば、一生、認知症にならなくても済むかもしれないのです。早めに相談することの大切さを、ご理解いただけるかと思います。

≪検査方法≫
検査方法としては、脳血流シンチ(体内に微量の放射性同位元素を注射して脳の血流の様子をシンチカメラという大きなカメラで撮影する方法)で脳の血流を測定するというもので、2002年頃から多く行われるようになってきました。

≪簡易検査≫
長谷川式簡易知的評価スケール
ミニ・メンタルステート検査 など

こんな症状は、軽度認知障害の可能性があります。

1. 少し前のことを忘れやすくなった。
2. 学習 能力が落ちて、 落ちて新しい事を覚えていられない。
3. 物の名前や 人の名前が出なくなった。
4. 置き場所 をよく忘れるようになった。
5. 身だしなみが だらしくなり、おしゃれをしなくなった。
6. 短気になり、 些細なことですぐ怒るようになった。
7. 目標に対して プランやスケジュールを立てられなくなった。
8. 会話において 、同じことを何度も言ったり聞いたりするようになった。
9. 好きなことでも 関心 がなくなってきた。
10. いままでいていた日課をしなくなった。

思い当たる症状が多い場合は、簡単認知症チェック「長谷川式簡易知能評価スケールテスト」をしてみましょう。

[簡単認知症チェック]へリンクしています。

「改訂・長谷川式簡易知能評価スケール」をご紹介します。専門家が使用するものですが、一般の人にも認知症がどの程度すすんでいるか見ることができるはずです。

遊楽 いきいきとした人生を応援する総合ネットワークサイト
一般用 「認知症チェック」へリンクしています。

http://www.u-raku.co.jp/03_u-raku/hasegawashiki/index.html

 

長谷川式簡易知能評価スケールテストについて

上記のテスト結果は年齢相応の物忘れ程度なのか、軽度認知障害が始まっているのか、または認知症なのかの参考にするものであり、認知症・アルツハイマー病などと断定するものではありません。簡易テストの結果がよくない場合は早めに専門医院にて診てもらうことを強くお薦めします。

多くの場合、かなり進行してから病院を訪れるケースが多いものです。
軽度認知障害や認知症の初期なら、それを改善する又は進行を遅らせる事が出来ます。60歳を過ぎたら、とりあえず「知能評価スケールテスト」をしてみましょう。
 

 

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 10、認知症の検査、薬物治療とケア


(1)認知症の検査

◆記憶障害や認知機能の低下を調べる問診
◆全身の状態をみるために…… 血液・尿検査など
◆脳内の変化をみるために…… CT/MRI検査など


(2)認知症の病院での薬物治療

『認知症』の症状は大きく2つにわけられます。
記憶障害や判断力の障害など中心となる症状と、それに伴っておこる周辺症状です。

認知症の中心となる症状を根本的に治療する薬は今のところありません。
しかし、最近アルツハイマー型認知症の症状の進行を遅らせる薬が出てきています。この薬は病気を治す薬ではありませんが、認知症の症状の進行を遅らせることによって、ご家族と一緒に過ごす貴重な時間を長くすることが出来るのです。

また、ご家族の方を悩ませているのは、おもに周辺症状です。しかし、これらのうち幻覚や不安などの精神症状、徘徊などの周辺症状も向精神薬などの薬によって症状が改善する、あるいは軽くすることができます。

(3)認知症のケア

認知症では、患者さんの症状にあわせてケアしていくことも治療の大切な要素です。ケアには、精神的なケアと生活上のケアがあります。患者さんの状況により、ケアはそれぞれ違ったものになります。

また、施設などで実際に専門職(精神科の医師、各種療法士など)の方が行う心理療法も重要な治療です。回想法、RO(リアリティー・オリエンテーション)、アニマルアシスドセラピーや音楽療法などといった心理療法を行っている施設もあります。
 

 

認知症の現状と私の所見

2005年9月の推計によると、全国の65歳以上の高齢者は2,556万人。
男女別に見ると、男性は1,081万人(男性全体の17.4%)、女性は1,475万人(女性全体の22.5%)だった。
65歳以上の人口は20%以上を占めるようになった。
「5人に1人が高齢者」という状態は、先進諸国の中でも最高の水準。この割合は今後も伸び続け、10年後には26%に達するとの見込みもある。

同時に認知症の患者数も増加の一途にあり、現在は全国で180万人。
団塊の世代がすべて高齢者の仲間入りをする2015年には250万人に、さらに2035年には337万人にまで増えるとの予想もあり、介護の負担が大きくなることから今後大きな社会問題になるであろう。

厚労省は、1986年以降、認知症の正確な患者数について全く調査すらしてなかった。したがって、2009年度から大規模調査を行い、2010年度をめどに全国的に集計するとしている。
集計も必要だが、いかに認知症にならないように予防するか、また認知症の早期発見・早期治療を目指して、高齢者を診ることの多い地域のかかりつけ医に認知症の研修を受けてもらう動きが必要と私は思っている。


以下はアルツハイマー型認知症にならないための予防(生活の知恵)と、漢方の知恵の紹介です。
認知症の前段階であるで軽度認知障害や、あるいはアルツハイマー型認知症と診断されても、第1期(前期)認知症なら進行を食い止めることも可能です。そのための漢方療法も紹介します。
アルツハイマー型認知症は適切な対策をしないと、確実に進行するものです。本気で取り組みましょう。

 

アルツハイマーの予防のポイントに目を通し、自分の生活習慣と比べてみましょう。
特に還暦を迎えた60歳以上の方はよく目を通してください。
とくに、<<3. 脳を刺激する>>が大切です。
そして、できそうなことから始めましょう。
ご自身のためにも、家族のためにも!

 

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 11、認知症の予防のポイントは


1. メタボにならないように心がける。
2. 運動に心がける。
3. 脳を刺激する
4. 食事のバランスに心がける。

などです。
 

1. メタボにならないように心がける。


・ 高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病にならないように注意する。特に腹部の脂肪を減らすことが重要。

・ (男性はウエスト(へそ周り)85cm、女性は90cm以下に保つ事が大事) 2005/6 米国の研究で45才前後の人で内臓脂肪が多い人(ウエスト85cm以上)を追跡調査した結果、30年後には90%が認知症になったとの報告がある。

・ 1日の摂取カロリーが2500kcalを超えると多くなる。→高脂肪食をやめ、カロリーを制限すると良い。降圧治療は認知症の発症を遅らせる効果がある。

メタボにならないように心がける。

 

2. 運動に心がける。


・ 運動は認知症の予防に効果がある。一日20分程度の散歩で良いから毎日やること。

・ これにより、脳血流の改善、血圧安定、血液中のコレステロール値の低下が得られる。

・ 膝曲げ運動:手は椅子に捉まり、膝を1/4程度屈伸して中腰になる膝曲げ運動を1日10回する(ゆっくりでよい)→高齢になって下半身の筋肉が弱って歩けなくなることを防止する

運動に心がける。

 

3. 脳を刺激する。    


頭は使えば使うほど発達すると言われる。新しいことに意欲を持って取り組めば、脳は発達し、活性化する。 脳は病気や老化で細胞が死んで減少してしまって、物忘れがおきるようになっても、普段の生活の中で脳に刺激を与え続けて、脳を活性化すると、生き残った脳細胞が機能を回復する事が出来ると言われている。

・ その日の行動を思い出しながら日記を付ける。
・ 簡単な計算をする。
・ 新聞や本を声を出して読む。
・ ゲームをする(将棋、囲碁や麻雀)。
・ 楽器演奏をする。
・ 手芸やガーデニング、絵を書く、音楽を聞く、歌を唄う。
・ 多くの友人と話し合う。
・ 指先を使う。特に左手。

脳を刺激する。

 

4. 食事の内容に心がける。  


・ カレー(2週間に1度程度:クルクミン )

・ バナナ(3日に1本)

・ コーヒー1日2杯(カフェイン)

・ 青魚(1日80G:DHA )

・ 緑黄色野菜(1日350g以上)

・ 緑茶1日3杯(出来れば煮出し緑茶がよい:カテキン )

・ 甘いものは控える

・ 海苔(ビタミンE、葉酸、ビタミンB12、亜鉛 )

食事の内容に心がける。

 

5. その他の心がけると良いこと。


・ 20-30分程度の昼寝                       
20分以上昼寝をすると脳は完全にノンレム睡眠という深い眠りに入ってしまうので途中で起きると不快感が出るので短時間眠るのが良い。身体を休めると言うより脳を休める目的。
1時間以上昼寝をするのは逆効果。かえって呆けやすくなる。

・ 20分程度の散歩                          
出来れば早歩きする。但し、30分を超えない。周囲の家や花や風景の変化を良く観察しながら歩くのが良い。目標は1日2〜3回、合計1時間程度。ウオーキングの他、水泳も非常に良い。

 

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 12、ボケないための漢方の知恵


認知症は、日本ではかつては痴呆(ちほう)と呼ばれていた概念でありますが、2004年に厚生労働省の用語検討会によって「認知症」への言い換えを求める報告がまとめられ、各医学会においても2007年頃までにほぼ言い換えがなされました。

認知症のことを漢方医学では、昔から現在も「痴呆」といいます。
これに対しても、漢方独特な治療法があります。

また、予防医学を大切にする東洋医学では「ボケないための漢方の知恵」もあります。

漢方医学は、理解が難しいと思いますが、なるべく簡素に紹介します。

ボケないための漢方の知恵

 五行臓腑

五行臓腑病機の弁証体系に基づいて「痴呆」の治療には以下のように方剤が使用されます。 

 

・ 腎精不足  年齢より老けて見える、体力低下
       代表処方 : 鹿茸大補湯

・ 心腎不交  腎陰不足のため心を濡養できない
    陰(生理活動に必要な物質のこと)

・ 心陰虚が主 ふらつき・不眠・不安・動悸
       代表処方 : 天王補心丹
  
・ 腎陰虚が主 ふらつき・下半身無力・動作がにぶい・髪が薄い
       代表処方 : 六味地黄丸      

・ 心火旺が主 焦燥感・顔面紅潮・口渇
       代表処方 : 黄連阿膠湯

・ 心脾両虚  思慮過度・動悸・不眠・食欲不振・倦怠感
       代表処方 : 帰脾湯

・ 痰濁擾心  ふらつき・めまい・胸苦しい・咳嗽・痰
       代表処方 : 温胆湯

・ お血     脳血管障害、冠動脈疾患がある        
       代表処方 : 冠心逐お丹  冠元顆粒  当帰芍薬散  血府逐お湯

・ 肝陽化風  イライラ・耳鳴り・眠りが浅い・ふらつき・手足のふるえ 
       代表処方 : 抑肝散  釣藤散

<<五行臓腑病機>>

五行臓腑病機とは、自然間の一切の事物すべてを五種(木・火・土・金・水)の性質に帰属させ、同時に自然間の全ての物は、この五種の物質の相互作用、相互変化によって営まれているのであり、人体の臓腑・組織・情志なども自然間の物と同じように機能している、という東洋医学の基礎理論。
病機とは、病理機序のことであり、五行臓腑によって病因・病性・病位・病勢を含めた病変の本質を明らかにすることであり、弁証の鍵になる。

 

  ボケないための知恵(予防)


当たり前のことですが、認知症(痴呆)にはだれもなりたくありません。ならないことが一番!予防が一番です。


では、どうしたらいいのでしょうか?

予防にいいことはたくさんありますが、最新の研究によれば、

(1) ゲーム(将棋、麻雀、トランプなど何でもよい)をしたり、楽器演奏をしたりな  ど、頭を使って楽しむ趣味をもつこと(週に数回)。

(2) 青魚(サバ、サンマ、イワシなど)と緑黄野菜中心の腹八分の食生活。

(3) 1日30分ほどの散歩(または体操や水泳)。

 の3つが、特に薦められると言われています。

また、漢方の知恵にもすばらしい方法があります。
その方法は、
補腎活血法です。

 
補腎法とは抗老法ともいわれ、年齢に伴うさまざまな老化症状(精力機能の低下、難聴、骨や歯の弱り、足腰の弱りや痛み)を予防したり改善する方法のことです。それに使用される漢方薬を補腎薬といいます。

 
活血法とは漢方医学独特な治療法であり、漢方療法で使われ現在ではポピュラーになった「血液サラサラ」法のことです。脳梗塞や狭心症・心筋梗塞の予防になくてはならない漢方薬で、活血薬とか活血化お薬といいます。

 この
「補腎薬」「活血薬」を一緒に使うのが補腎活血法です。
 補腎薬も活血薬にも様々なものがあり、自分に適したものを選ぶ必要があります。

 

 

  ボケない予防のための代表的な漢方薬とサプリメント


(1) 補腎薬

  六味地黄丸・知柏地黄丸・杞菊地黄丸・麦味地黄丸
  
     八味地黄丸・牛車腎気丸・右帰丸・鹿茸大補湯

(2) 活血薬
  
     冠心逐お丹・冠元顆粒・血府逐お湯・補陽還五湯


(3) サプリメント
  GBE24
  ケアーピローサ
  ケアバランス

 

 

60歳からの人生に役立つ、
認知症の予防と早期発見のための「冊子」ができました


もの忘れが気になり始めたご本人やご家族の方に読んでいただきたい内容です。
超高齢化社会の今、認知症を増やさないことを願って製作されました。

認知症とは無縁を思っている方にも読んでいただき、基本的な知識を得て予防し健康を保ちこれからの人生を穏やかにと願っています。
 

 60歳からの人生に大きく役立つ知っておきたい知識と知恵〜ボケない生き方

 


■冊子の概要

名称:60歳からの人生に大きく役立つ知っておきたい知識と知恵
   〜ボケない生き方¬−漢方のサポート〜
INDEX
1、老化と認知症
2、物忘れと認知症
3、認知症の症状
4、早期発見
5、認知症の検査方法
6、予防こそ最大の治療法
7、漢方と認知症

監修:安達一二三(安達漢方薬局 代表薬剤師)
発行:漢方療法推進会
版型:A5判 16ページ カラー印刷

この冊子を無料でお分けします。
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安達漢方薬局
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お願い

適切な漢方治療のためにはご本人が直接来ていただくことが大切です。

一宮市・稲沢市・江南市・岩倉市・清洲市・北名古屋市・西春日井郡・小牧市などの近郊からは約30分、名古屋市・弥富市・海部郡・あま市・春日井市・岐阜市・各務原市・羽島市・羽島郡などからも30分から1時間以内の距離ですから、初めはご本人が直接お越しください。
 

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